ジリア達は妖精に案内されるままについていき、道中の魔物を倒しながら水の精霊のいる部屋にたどりついた。
「ジリア様、ここが精霊様の居るお部屋です。」
ギイッ・・・・。
いきなり妖精は扉を開けた。
「おい! いきなり部屋を開けていいのか!? 精霊が暴走しているんじゃないのかよ!?」
ゴーダは、妖精の不用意な行動に戸惑っているが、妖精は冷静に語る。
「いえ、部屋から出る水のエレメントの波長があの時のように乱れておりません。 どうやら精霊様は落ち着いているようです。 一応はただの取り越し苦労でしたが、一安心です。」
ジリアは妖精のセリフに興味を示した。
「へえ、エレメントに乱れとかあるんだ・・。」
「はい、エレメントにも乱れというものはありますが乱れていても魔法に影響はありません。 エレメントとかかわりのある者の心の状態でその周辺のエレメントに落ち着きや乱れが生じる事があります。 一種の気配と思えばおわかりなるものかと思います。 特に精霊様の場合はエレメントそのものでございますから周囲の影響は大きいでしょう。」
妖精は説明すると、一同は部屋の中に入っていく。
「確かに部屋の水のエレメントは廊下とは違い、落ち着いています。」
妖精はエルの一言に驚きをあらわにした。
「エル様!? あなたは、エレメントの波長が分かるのですか!?」
「ええ、小さい時からエレメントの波長に少しながら感じることは出来ましたし、幽霊になってからは特にエレメントの波長の変化が分かるようになりましたよ。 ・・・それが何か?」
「それは真か!?」
突然目の前に布で羽織っている美しい女性が宙を浮いて現れた
「きゃあっ!!」
その場にいる一同は大声をあげて驚いた! それもそのはず、いきなり目の前に一人の女性が浮いて出てきたのだ!
「また幽霊か!?」
ゴーダの一声と共にジリアとゴーダは武器を構えるが、妖精は即座にゴーダの言葉に対して
「ちがいます! この方は、水の精霊様でございます。 精霊族は魔力の高いものは姿を自在に変えることができるのです。 もちろん精霊様は魔力の高い方であるのでそれは可能です。」
ジリア達はそれを聞くとひとまず武器を構えるのをやめた。
「驚かしてすまない、人間よ。 私は水の精霊 ウンディーネ だ。」
ジリアはそれを聞いて驚いた。
「精霊ってのは、並の人間では一生お目にかかれない程の存在。 まさか、こんなところでお目にかかれるとは・・。」
ジリアはこの場に立っていられるのも光栄のように感じていた。 そうしているのもつかの間、ゴーダはさっそうとある事を聞いた
「ところで、ウ、ウンディーネさんはなんで操られたのですか?」
それである。 ジリア達も妖精も疑問に感じていた。 何故いきなり操られたのか?
「それなのだ、自分で言うのもどうかとは思うが私は精霊の身、人間とエルフのハーフごときに操れるほど私は弱い存在ではない!」
そのセリフに全員は驚愕した!!
「な、なんだって!? エルフではない!?」
ジリアとエルの予想はことごとく外れたのだ!
「とはいっても、暫くしてハーフの操りから解くことはできた。 それでもあの黒装束は相当の魔法使いではある。」
精霊の言う通りである。 ただでさえ精霊を召還し、その精霊を操れるものなどエルフでも限られ、それを行ったのがハーフとなると能力者としては優秀の一言では片付くわけがない。
「では、その魔法使いはなぜあなたのような水の精霊様を操ろうとしたのでしょうか?」
エルのこの質問も疑問の一つである。 ただ単純に自分の護衛として呼んだのなら話は別であるが…。
「いや、どうやら私以外にも火、風、雷、大地の精霊を呼んだようである。」
「親分、まさか・・・巨人殺しの武器を作ろうとしたのでは?」
「それはないだろう、黒装束の目的はまずバルを復活させることで何かをする。 つまりバルを殺したらもともとの計画に矛盾が出るだろう。 後、エルが言っていたがバルは巨人ではなく突然大きくなった人間だから殺すにしてもその強力な魔法で片付くはず。」
これによりまた一つ大きな謎ができたのだった・・・ように見えた。
「いや、それも計画の一つだったらしい。 万が一にバルが言う事を聞かないで反抗した時の切り札とするために作らせようとしていた事実もある。」
「ふぅん・・・。 ではそろそろ上の階にいこう。」
ジリアもこれ以上の情報は手に入らないことを悟り次の階に行くことにした。
「しばし待たれよ。 ・・・ジリアと申したな、これを授けよう。」
何やら紋章のようなものを渡された・・・。
「これを他の精霊に会った時にこれを見せるのだ。 そして、精霊たちからこの異なるエレメントを秘めるエムブレムを集めるのだ。 そうすれば巨人殺しの武器を精霊たち全員で作ろう。」
どうやら、ジリア達は水の精霊に認められたようである。
「精霊様、あなた様に早いうちからあなたに認められて光栄です。」
「そうか、それとそこの水の妖精 ピクス を連れて行け。 何かの役に立つであろう。 ピクス、しっかり彼らを見届けるのだぞ。」
「かしこまりました。 精霊様」
そして、先ほどの妖精、つまりピクスがついていくことになった。
「改めてよろしくお願いいたします。」
「こちらこそよろしく。 君がいると心強い。 では、精霊様。 私はこれでしつれいします。」
そう言ってこの場を去った・。
ただ、ウンディーネは気がかりなことがあった…。
(エルというあの幽霊・・。 何故エレメントの乱れが分かるのだ? エレメントの乱れは少なくともエルフとドワーフ、竜人、そして妖精族にしかわからないはずだ・・・。)
ウンディーネはエルを呼びとめた
「エルと言ったな。 こっちに来てくれぬか?」
エルはそれを聞くとジリアに言う。
「ジリアさん、後で付いてきますから先に行ってください。」
そう言い残してジリア達は先にいった…。
「精霊様、何かございますか?」
「ああ、君に少しだが、魔法を教えてあげよう・・・。」
精霊は何かを考えてエルに言い聞かせた・・・。
一方ジリア達は・・・。
「親分、今さらなのですが、なんで精霊が召喚された理由をちゃんと聞かなかったのですか?」
「・・・。 それに関しては俺も浅はかであるがな」
「ジリア様、理由は他の精霊様に聞けばよろしいと思います。」
「・・・。 それもそうだな。」
とりあえず次の目標は精霊たちに会うことを優先させることにした。
グルルルルルル!!!!
「しまった、エルがいないから先手を打つことができなかったか・・・。」
そこには、装備のそろったオークと3階にいたガーゴイルがこちらを睨みつけていた。
「まあ、軽いウォーミングアップでいいんじゃないですか? 親分!」
ゴーダは軽く言う。
「それは私も賛成です。 精霊様から力を少し分けていただきましたので、少し試してみたいのです。」
珍しく闘争心に満ちた様子だ。
「へえ〜、いいな。 そういうのって。 じゃあおれも行きますか・・と!」
全員やる気満々だった!
まずゴーダは先手で敵に急接近し、斬りかかる!
次にジリアは呪文を唱え、ピクスはジリアを守るようにジリアの前に立って構える。
ピィー。
オークは何やら口笛を吹いている!
ぞろぞろぞろぞろ・・・・・。
なんと! オークの仲間がぞろぞろ現れた! どうやら口笛を吹いたオークは集団のリーダーの様である。
「うおっ!? ・・・・・、親分、結構出てきましたよ・・。」
「ああ、オークは元はそんなには強くないが頭がいい奴らで、魔物とは違ってオークは集団で行動する事だ。 まあ、こんなのは最初から計算している。 またいつも通り時間稼ぎを頼むぞ!」
「分かったッス!」
「ピクス、何をするか分かるな?」
「はい、大体の見当はつきます。」
ジリアは、ピクスと何か作戦を立てているようであった・・。
まず、リーダー格を先に倒すために、ゴーダは接近しながら魔法を準備し、左手に魔力を集中して、火の玉を作り上げてガーゴイルに向けて、唱えた!
「ファイヤーボール!!」
そして、火の玉はガーゴールに飛んだ!
ズドォォォォン!!
ガーゴイルは不意を突かれたか見事に命中し、後ろに吹き飛んだ!
だが、完全に倒したわけではないようであった。
ゴーダはすぐにリーダー格にターゲットを切り替えて攻撃を仕掛ける!
その中ジリアはまだ、何かの計測をして機会をうかがっている
ガッ!! キン!! キン!!
ゴーダは狭い通路を利用して敵をとおれなくしてリーダー格と剣の打ち合いをしている。
キン!! ガチッ!
どうやら、相手の剣は崩れるようである! ゴーダはそれを狙い思いっきり剣にめがけて打ちつける!
「そこだぁぁー!」
ゴーダは打ち上げる様に振り上げた!
バキィィィィッ!!!!!!
リーダー格の剣はきれいにへし折られた!
「これでどぉだぁぁぁぁっ!」
ゴーダは今の姿勢から足を大きく踏み込んで右上から左下へと斜め一直線に振り落とす!
スパアァァッッ!!!!!!!!
ゴーダは鎧を軽く貫通して通り越してリーダー格を真っ二つにした!
だが、オーク達は平然としてゴーダに向かっていく!
「ゴーダ! 一旦引け!」
ジリアは叫んだ!
それを聞いたゴーダはすぐに引き返して構える。
「アイス・ポイント・ゾーン!」
ジリアが唱えるとオークたちの目の前に氷が作られて道をふさぐ柱になった!
「ゴーダ! 後は何をするか分かるな?」
「! そういうことですか!」
ゴーダはなぜか呪文を唱えて、弱めの火の玉を作り上げる!
「ファイヤーボール!」
弱く作り上げた火の玉は、氷の柱に向けて飛んでいった!
シュウゥゥゥ・・・・。
弱く作ったからか、氷の柱は見る見る溶けて水たまりができた。
その途端にオークは勢いに任せて突進する!
「今だ! ピクス! 一気にたたむぞ!」
その合図とともに、ジリアとピクスはオーク達に接近していく!
だが、オークは2,30体いる。 いったいどうするのか?
そして、その答えがピクスの行動で明らかになった!
「クーリッシバ!」
今、ピクスがつかった技、それは正面にある水を凍らせる、水の妖精たちと戦った時にゴーダが2度食らった技である。
つまり、それは先ほど氷の柱があったところの水たまりをまた凍らせるということである。
これが意味するものは。
ガチゴチガチッッ!!!!!!!!!!!!
そう、オーク達はまんまと全員がその水たまりに立ってしまっているのだ。
これにより、オーク達は足を封じられ身動きが取れなくなっているのだ。
「おっしゃ! 作戦は成功だな!」
ジリア達は一気にオークたちを倒していく!
そこから先は言うまでもなかった。
辺りは氷の槍に複数が串刺さっているものや頭をたたき割られたものや腹部を深く切りつけた死体、ほとんどが斬殺や刺殺の死体で埋め尽くしていた。
全てのオークを倒しきったのである、
グルルルルルルルルッッッ!!!!!
どうやらまだ最後の一体、ガーゴイルが残っていた。
まだ、体力が残っていたようである。
「ここは俺に任してください。」
ゴーダはここで決着をつけるかのようにタイマンを望んだ。 きっと彼は3階の事を考えていたのだろう。
「いいぜ、・・だが絶対に死ぬなよ。」
ジリアはそう言い残し、ゴーダは向かい討ちにいく。
ギリッ・・。
ゴーダとガーゴイルは互いの間合いを確認しつつ距離を詰めていく。
ギリギリッ・・・・。
足指を使って少しずつ縮める・・。
ブンッ!
ガーゴイルは先手を取って鋭利な爪を持つ左手で体ごと引っ掻きに出る
ガシッ!
だがゴーダは左手を狙って突き出し、妨害を狙う。 丈夫にできた腕であるものの、左手にけがを負わせる事が出来た。
シュッッ!!
ガーゴイルは隙を突くかの如く右手をのばして鋭利な爪でゴーダの腹に目がけて突き刺しに行く!!
「甘いんだよォォ!!」
ゴーダはとっさにして右方向に進みながらぐいっと体を左回転したまま相手の首を刈り入れるように切りつける!!
ブシュッ!
ガーゴイルも早い対応でゴーダとは反対方向へ下がるが胸に切り傷を負わせた!
「やっぱりそう簡単にはいかないなあ」
ガーゴイルはひるむことなく前進してゴーダに突っ込む!
だが、今のゴーダにはそんなものに臆せず、むしろ冷静に剣を脇に高く構える
ガーゴイルは両腕で抱え込むように腕を広げて突っ込んだ!
ゴーダも相手に向かって飛び出す!
次の瞬間! ガーゴイルは腕を振り切った!
ズバッッッッッッ!!!!!!!!!
ガーゴイルの左腕と首が分かれた!
ゴーダが上手で相手の左腕をくぐると同時に切り裂いたのだ! この瞬間、ガーゴイルは再生の状態に入り、暫くは活動を停止する。
ゴーダはガーゴイルに勝った!
グルルルルルルルルルルルルルルルルッッッッッッ!!!!!
まだ、奥にガーゴイルが二匹いた!!
「まだ余裕ですよ、親分」
「ああ、俺も行くぜ!」
「私も行きます。 そうすれば怪我なく勝利するのは決まりますわ」
そして、3人はそのまま戦闘に入る!! どっちが先に手を打つ!? いくらゴーダが一人でガーゴイルに勝てても油断はできない! 緊迫した空気が渦巻いている。
「ジリアさ〜ん、ゴーダさ〜ん! 後ピクスさ〜ん! 離れてください!」
エルが大声でジリア達とガーゴイルの間に立った!!
「姫さん、ちょっと邪魔しないで下さいよ。 いくら幽霊とはいえど・・。」
とゴーダはエルに注意を促すが・・。 エルは何やら何かを唱えている。
「ゴーダ様、ジリア様! エル様の言う通り離れた良さそうです! 何か強大な力を感じます!」
突然ピクスが注意を促す! ジリアとゴーダはエルの言う通り、ここから離れる!
「いったい何が起きるんだ!?」
その時、あたりが大きな冷たさと共に風がエルを囲う。 まるでエルの周りに台風…いや吹雪の嵐ができているように・・。
ゴォォォォォォォォッ!!!!!!
時間がたつにつれ風が一層激しくなる中、ガーゴイルはエルに近付き、攻撃するが、相手は幽霊で物理攻撃など通用しない!
そして、エルは何かを発動させる!
「コルドハザド!」
エルの辺りは吹雪とヒョウで覆われまるで生物の生存を否定するかのごとくこの状態が続く!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
暫くしてこの状態が収まり廊下は雪と氷まみれになり、ガーゴイルは氷が刺さったままそのまま凍っていた。
「す・・・すげえよ!! エル! どうしたんだよ・・って! これ精霊様に教わったのか!」
エルを除く全員は驚きと共に歓喜が起こる!
「それに、あの術は・・。 まさか禁術の・・。」
「はい、“コルドハザド” 冷気の災害を意味する、精霊に認められた者にしか使えない禁術の一つです」
「禁術なんてよく教われたな! 人間でもエルフでも教えてもらうなんて不可能に近いんだぜ!」
ジリアは興奮しきっている! まるで、興味がわいている子供のようである。
「まあ、エルさんも強くなったってことでとりあえずサッサと進みましょうよ!」
とゴーダは次に進むことを促す。
「あ、ああ、・・・そうだな! 次に行こうか!」
・・・・そして、ジリア達は次の階へと通路を進むのだった・・。
その間、エルはピクスと何かの会話をしている。
「エル様、禁術を使うのはお控えになる事は分かっておりますね?」
「ええ、それにこの技は一度使えばしばらくは使えないものね・・。」
「そうではありません! あなたのように肉体を持たない霊体は魔力を回復する手段がないのです! ただでさえ膨大な魔力を消費する禁術を何度も使えば、あなたは・・・・・・。」
「分かっております。 でも私は既に死んだ身で過去の生物なのです。 だからその魂を削ることに惜しむことはないのです。」
「お〜い! エルとピクス! 早く行くぞ!」
「はいっ! ではピクスさん、この話は終わりね。」
そして、エルとピクスはジリアの所に戻った
ジリア達は奥へと進み次の階段へと向かう。
「ふぅ、これでまだ4階を突破しただけなんて…。 きついですよ、親分」
「さすがにそうだが、進めば進むほど謎が余計深まってくるし、それに今回の事件にここまで関わるともう後が引けないしな。」
ジリアは苦い顔をしてため息をつく。
「・・・・・・・ふぅ。」
何やらエルもため息をついた。
「どうしたんだ? エルも何か気になることでもあるのか?」
「・・・・・・・・・」
「お〜〜い」
「・・・・! はっ! ジ、ジリアさん!? 何でしょうか?」
「いや、ため息ついていたから何か考えているのかなぁ・・・と。」
「それはお互い様でしょう?」
エルは即答した。
「まぁ、そうなんだけどね。 やっぱり気になるんだよ、今回のターゲットが“ハーフエルフ“の動機が・・。」
ハーフとは混血の俗称でその種族両方に忌嫌われる存在。 つまり、今回のターゲットの目的が不明になった事で第一に復讐なら人間以外にエルフも対象であるはず・・。
第二にこの国とそのターゲットにどういう繋がりがあり、バルと何の関係があるのか?
「親分、まだそんなことを考えているのですか? そういうのは捕まえてからで…。」
ゴーダの言う通り…、であるのだが、なぜかジリアにはそれに違和感と不安を感じてしまうのだ。
「ジリア様、あれを見て下さい」
ピクスが声を上げた! どうやら次の階への階段を見つけたようだ。 だが、ピクスが見つけたものはそれだけではないようだ。
「この階段の横の壁を見て下さい。 何やら年表らしきものが書かれています・・。」
ジリア達は持っているランプを照らして年表を詳しく調べた。
王国歴 出来事
003 グインラード王国の誕生
033 隣国マウンナと初外交を交える
091 100年に一人といわれるほどの美声を持つ有名な歌姫が国際的!?歌OHにノミネートし、会場コンサートで100兆FRAN稼ぐ
130 サウス=オーデュガン薬剤師が薬剤の新技術の開発に成功する
134 王国の拡大を成功し国の格付けを挙げる
189 この地方にあるエルフの森の族長との外交に歴史上初めて成功する
238 王国の拡大を計画するが城下町に大地震による災害が発生して人口の約半分が死亡、計画は中止
300 300周年を迎え、記念祭に周辺の国々から祝辞をいただく
360 王国の拡大を図るが、疫病がはやり人口の半分が死亡し、中止する
426 王国の拡大を図るが、この年最悪の台風により人口の半分が死亡し、中止する。
501 巨人バルが町の中で大暴れをし、数多くの死者を出し、第一王女エル=グインラードも犠牲者となる
502 巨人バルを封印することに成功する。 そして封印が解かれないように結界の機能付きの塔を建設する
507 塔は完成。 バルの塔と命名
「・・・。 ・・・・エル、これはもしかして、この国の歴史じゃないのか?」
「ええ、そうです・・。 そう、王国歴501年に私は死にました・・。 ですが、私を殺したのは・・・。 分かりません。」
「それにしても親分、国の年表を初めて見ましたけど以外と歴史は深いですね・・。」
「そうか・・? ・・まあどうでもいい外交のこととか有名人のこととかが載っているけど、こんなの載せるほどのものか?」
「あと、この災害の記録もですか?」
「そうそう、そんなのも載せるほど・・・・・。 ん?」
ジリアは違和感を感じた・・。
「ジリアさん、どうかいたしましたか?」
「ああ、第三者の俺が言うけど、ひとつだけ、すごく気になるんだ・・・。」
ジリアは、なぜか無視できない個所があった・・・。 それは・・・・・。
「・・・、“王国の拡大を図るが”、なんて何故災害があった時にわざわざ書いているんだ?」
「いえ、このとき以外にも災害はありましたわ、ただ死傷者はこれらほどではございませんが・・。」
「・・・そうかい、じゃあこの年表の238年以降の王国の拡大をする時に災害が起きなかった時はなかったか? この年表はそんな時はないかのように書いているが・・。」
エルの回答に即座に、ジリアは何かを不気味に思うかのようにエルに問いだした。
「・・・、ジリアさんの言う通り、なぜかこの時以降の拡大を図る時にはすべて災害によって中止しています。」
「・・・念のために聞きたい事があるが、501年の時に王国の拡大を計画していたか?」
「・・・・はい。 この年表には書かれていませんが確かに計画はありました。 ただ、バルさんによって中止になりましたが・・・。」
ジリアはまたひとつ、何かを仮定しようとした・・・・・。
・・・・どうやら、今回の事件は一縄筋にはいかないことは確かだ、まずはこれまで得た情報をまとめよう。
@今回のターゲットはバルかこの国の何かの関連をもっていて、ハーフエルフの凄腕の魔法使い
Aバルは元々はただの人間(ただ、エルの話では正確な人物像は不明だし、嘘を教えている可能性も考えればもしかしたら人間じゃない可能性もある)が巨大化したもの。
Bエルはバルではなく謎の男に殺された・・・といっても、殺し屋を使っただけの可能性はあるから殺した人物はこの際重要ではない、問題はなぜエルを殺してその罪をバルに着せなければならなかったのか?
Cバル以外の年表に書かれている災害の被害の所に何故王国の拡大を計画している旨を書き記したのか?
ふむ、一見関係のなさそうな事実だが、また何か情報を得ればきっとまた新たな手がかりを生み、いつかは真相としてこれらの情報がつながる!
「・・・そうか、すまないな。 またギグシャクさせるような事をして。」
「いえいえ、私も今回の真相を知りたいので気にしなくていいですよ。」
ジリアとエルはそこで結論に進むのをやめた。 まだ、情報が少なすぎるからだ。
「お〜い、親分! エルさん! 早く次の階へ行きましょうよ! そうしないと他の冒険者に追いつかれますよ!」
「! そうだった、そうだった! なんせ今回の報酬は100万FRANだしな!」
ジリアはようやく本来の目的を思い出し、いつもの調子を戻し、掛け声をあげる!
「さぁて、みんな! 次の階へ出発だ!」
「お〜!!」
「はい」
ズテッ!!!
一同は一人(?)のノリの悪さに足を滑らした!
「ピクスぅ〜、親分がノッテたんだからそこはノリにのってさぁ〜」
「早くしないと、他の冒険者に取られるのでは? ゴーダさん。」
「ウッ・・・!」
「そうだな、さっさと次の階へ行こう」
アハハハハハッ・・・・・・。
とまあ、一同はゆるい会話をしながらジリアはとりあえずこれらの情報を心に留めて一同は次の階へ進んだ……。
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